自殺志願者の8割は県外から訪れ、切符は片道。
しかし、何時間も岩場をさまよい、自分の気持ちと格闘を繰り返しています。
□東尋坊で自殺防ぐ 茂幸雄さん―元刑事「見て見ぬふりできん」
日本海を見下ろす断崖(だんがい)絶壁の奇観が続く東尋坊(福井県坂井市)。年間100万人近くが訪れる景勝地は、毎年20人以上が身を投げる「自殺の名所」としても知られる。その汚名を返上しようと、平成16年4月、NPO法人「心に響く文集・編集局」を開設。岩場周辺のパトロールを続け、120人を超える自殺志願者を救ってきた。
周辺の土産物店が一斉にシャッターを下ろす午後4時すぎは最も緊張する時間だ。双眼鏡片手に、約1キロの岩場を1時間かけて一巡する。「こんにちは。どこから来られましたか?」。カメラや土産を持っていない。景色を見るでもなく動きが緩慢…そんな自殺志願者を見つけると、優しく話しかける。
死のふちから救い出すと、事務所に併設した茶店で名物の「越前おろしもち」を振る舞い、相談に乗る。「あんた、今日までつらかったなー。一緒に解決しようか」。病気、リストラ、借金苦…自殺を考える理由はさまざまだ。不安の根を取り除くため、生活保護の手続きをしたり、住み込みの働き場所を探したり。六法全書を携え、夫婦げんかの調停に臨んだこともある。
「自殺志願者の8割は県外から訪れ、片道切符。でも、何時間も岩場をさまよい、心の中では『誰か助けて!』と叫んでいる。本当は、みんな生きていたいんや」
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080313/sty0803130818001-n1.htm
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